藤田嗣治　「横たわる二人の女」

Les deux amies

技法	：素描（鉛筆）

制作年	：1926年

サイズ	：44×34 cm（額窓）/ 68×58 cm（額）

レゾネNo.	：カタログレゾネV巻に掲載予定

状態	：良好（紙にわずかな折れ有）

備考	：左下部にサイン　Sylvie Buisson証明書付

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DB-012391

Web価格 : 4,950,000円

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作品解説

1920年にアジア人として初めてサロン・ドートンヌの会員に推挙された藤田は、代名詞といえる「乳白色の下地」を考案し、それと連動するように裸婦に取り組むようになりました。
この頃、後に3番目の妻となるリュシー・バドゥー（白い雪のような肌を持つことから“ユキ”と呼ばれた）との出会いで望ましいモデルを得た藤田は、ユキをモデルにした裸婦像を精力的に描いています。
1925年以降には、それまで描いた横たわる裸婦像のほかに、「Les Deux Amies（二人の女友達）」をテーマとした作品を繰り返し描いています。

本作のモデルとなったのは、当時の妻ユキと、フランス・フォーヴィスムの画家アンドレ・ドランの愛人でもあったマド・アンスパッシュだと推測されます。
デッサンにも関わらず、魅惑的な表情やしぐさ、二人の女性の空気感から放たれる官能性まで巧みな線描で見事に表現しています。

藤田は、自身の "線"についてこう語っています。
「僕の希望は絵を描く前に、対象物と自分が一体となって直感で描いてゆく。つまり訂正したり、思考したりした線でなく、直感から生まれた線の方が的確にして無限に深い。」

＜参考画像＞

「Les Deux Amies」
（1926年作　油彩画　個人蔵）

　
　　　

アトリエでの藤田とユキ（1920年代）

略歴

藤田嗣治　Tsuguharu FOUJITA (1886–1968)

エコール・ド・パリを代表する日本人画家。現代においても最も有名な日本人画家として高く評価されている。猫と女性を得意な画題とし、日本画の技法を油彩画に取り入れた「乳白色の肌」の裸婦像は西洋画壇から絶賛を浴びた。その晩年まで制作意欲が衰えることはなく絵画のみならず、銅版画・石版画・木版画などの版画作品でも様々な名作を残している。線の描写が美しい裸婦や子ども、そして猫の銅版画、また色彩で魅せる石版画の母子像、味わい深い木版画など、藤田嗣治の高い芸術性と遊び心が伝わる版画作品の数々は、今もなお世界中の人々を魅了している。

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