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藤田嗣治　「秋田娘」

Fille d'Akita

技法	：木版

制作年	：1937年

サイズ	：39×26 cm（画）/ 57×47.5cm（額）

部数	：

レゾネNo.	：SDB 37.03

状態	：良好

備考	：シート左端に加藤版画研究所の印あり

購入数

DB-011856

Web価格 : 297,000円

創業36周年記念特価 :

297,000 円(税込)

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作品解説

本作は同年の油彩（レゾネNo. SB.37.10）を元に、日本の加藤版画研究所にて制作された貴重な木版画です。
初期の木版画には『アマルと王の手紙』（1922年）『東方所観』（1925年）や『ポーゾル王の冒険』（1925年）の挿絵がありますが、これはフランスで制作された一色刷の小品です。
多色刷の木版画が初めに登場するのは1929年「白い猫」で、本作同様単一作品として発表されました。
その後８点の多色刷木版画が制作されていますが、それらはすべて日本の木版画工房で制作されています。

1937(昭和12)年3月、日本滞在中の藤田は秋田の資産家平野政吉から制作の依頼を受け、平野がアトリエとして提供した米蔵で、秋田の祭りと暮らしを描いた大壁画《秋田の行事》(油彩3.65×20.50m　秋田県立美術館蔵)を完成させました。
この壁画には年始の挨拶の風景から始まり、雪のかまくらで遊ぶ少女たちの姿、夏の風物詩である竿灯祭りや七夕祭りの様子など、秋田の人々の静かで慎ましやかな暮らしと熱狂の祭りが描かれました。

この頃の藤田は日本の地方都市に残る土俗的な風俗を表現することに尽きており、パリ時代に絶賛された裸婦像からは一旦離れ、故郷“日本”を描くことに没頭しています。

雪のかまくらで遊ぶ、本作によく似た着物姿の少女
《秋田の行事》部分

★　ぜひブログも併せてお読みください。

略歴

藤田嗣治　Tsuguharu FOUJITA (1886–1968)

エコール・ド・パリを代表する日本人画家。現代においても最も有名な日本人画家として高く評価されている。猫と女性を得意な画題とし、日本画の技法を油彩画に取り入れた「乳白色の肌」の裸婦像は西洋画壇から絶賛を浴びた。その晩年まで制作意欲が衰えることはなく絵画のみならず、銅版画・石版画・木版画などの版画作品でも様々な名作を残している。線の描写が美しい裸婦や子ども、そして猫の銅版画、また色彩で魅せる石版画の母子像、味わい深い木版画など、藤田嗣治の高い芸術性と遊び心が伝わる版画作品の数々は、今もなお世界中の人々を魅了している。

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