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藤田嗣治　「パラソル売り」

技法	：素描

制作年	：1959年頃

サイズ	：15×13.5cm（画）

状態	：良好

備考	：

購入数

DB-011176

Web価格 : 1,210,000円

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作品解説

藤田は1958年から翌年にかけて、子どもの“職人尽くし”とも言えるタイル画の連作＜小さな職人たち（Petits Métiers）＞に取り組み、それらをパリのアトリエの壁面一杯に飾った。これらはすべて15センチメートル四方のファイバーボード（繊維板）に描かれ、モチーフとなっているのは、「左官」や「指物師」、「椅子職人」のような手先の技術によって物を作る人々ばかりでなく、古くからパリの路上でみられた「馬車の御者」や「ガラス売り」のほか、「コンシェルジュ(アパートの管理人)」や「掃除夫」などさまざまな職種の人々である。

描かれた子どもたちは、それぞれの仕事に真剣に取り組んでいるものの、その仕草にはどことなくユーモアが感じられる。これらの作品は、フジタ本人によれば200枚以上にものぼる。本作は、現在ポーラ美術館に所蔵されている一作「雨傘」（下図）のための下絵と考えられる。藤田没後もアトリエに遺され君代夫人によって管理されていたもので、君代夫人の没後《 Succession Kimiyo Foujita 》としてパリのオークションに出品された。

＜参考画像＞
「雨傘」
1959年頃ファイバーボードに油彩画寸法 15×15cm
ポーラ美術館所蔵

略歴

藤田嗣治　Tsuguharu FOUJITA (1886–1968)

エコール・ド・パリを代表する日本人画家。現代においても最も有名な日本人画家として高く評価されている。猫と女性を得意な画題とし、日本画の技法を油彩画に取り入れた「乳白色の肌」の裸婦像は西洋画壇から絶賛を浴びた。その晩年まで制作意欲が衰えることはなく絵画のみならず、銅版画・石版画・木版画などの版画作品でも様々な名作を残している。線の描写が美しい裸婦や子ども、そして猫の銅版画、また色彩で魅せる石版画の母子像、味わい深い木版画など、藤田嗣治の高い芸術性と遊び心が伝わる版画作品の数々は、今もなお世界中の人々を魅了している。