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長谷川潔　「狐と葡萄（ラ・フォンテーヌ寓話）」

Le renard et les raisins (Fables de la Fontaine)

技法	：マニエール・ノワール

制作年	：1963年

サイズ	：35×26 cm（画）/ 58×48 cm（額）

レゾネNo.	：H-327

部数	：80

状態	：良好

備考	：直筆サインエンボス印

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DB-010390

Web価格 : 5,500,000円

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作品解説

マニエール・ノワールを極めた1960年代の画家円熟期に制作された代表的傑作。
いかにも柔らかそうな葉の葉脈や繊毛の“白”、リズミカルに配された葡萄の丸い粒の“白”、愛らしいキツネの縄人形の、細かく並んだ縄目の“白”が、ビロードのような黒い背景から発光するように浮かび上がり、超現実的な空間を創り出しています。

長谷川は次のような言葉を残しています。
「自然の万物は、宇宙の理にもとづき、それぞれ外観を異にし、それぞれ存在の使命を持つが故に、心眼を以って、美の根元を感知し、その思索を静物画の形で、象徴構成することが近年の作画である」

★　ぜひブログも併せてお読みください。

～ラ・フォンテーヌ「キツネと葡萄」とは～

お腹を空かせた狐が、たわわに実ったおいしそうな葡萄を見つけます。食べようとして懸命に跳び上がりますが、実はどれも葡萄の木の高い所にあって届きません。狐は怒りと悔しさから「どうせこんな葡萄は酸っぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか」と負け惜しみの言葉を吐き捨てるように残して去っていく…、というお話。
欲しいものがどうしても手に入らない時、人はその対象を価値のないものと貶めることで諦めをつけ、精神の安定を図ろうとする心理。
英語で「すっぱい葡萄（sour grapes）」は「負け惜しみ」の意だそうです。

略歴

長谷川潔　Kiyoshi Hasegawa（1891-1980）

1918年の渡仏以降、パリを拠点に活動した銅版画家。メゾチント（マニエル・ノワール）やエングレーヴィングといった古典的版画技法を研究し、独自の様式として確立する。サロン・ドートンヌやフランス画家・版画家協会に所属してパリの画壇で高く評価された。1935年、レジオンドヌール勲章受章。1966年、フランス文化勲章を受章。その幻想的な主題と繊細な描写、静謐な黒の世界は、後世の画家たちに多大な影響を与えた。

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