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ポール・ゴーギャン　挿画本『１１のメニュー』

『ポール・ゴーギャン　11のメニュー』

出版	：ジェラール・クラメ―ル（ジュネーヴ）

制作年	：1950年

技法	：ポショワール、フォトグラヴュール

テキスト	：ロベール・レイ

サイズ	：30×24 cm（本）

部数	：450

状態	：良好

備考	：完本

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DB-010229

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作品解説

美術史家であり、美術評論家のロベール・レイが初めてこの11点のメニューの存在を知ったのは、1948年の年の瀬でした。
ヴィルノワズィという若き建築行政官が訪ねてきて「あなたは今も、ゴーギャンの作品や画家本人について興味がおありですか？」と問うので「もちろん」と答えると、後日、マルタンという人物をレイのオフィスに連れてきました。
マルタン氏は、約50年前に亡くなった画家ゴーギャンの手になる11点の水彩画を持参していました。それらは、1906年、マルタン氏の父親がタヒチに滞在していた頃、首都パペーテの行政官であったコンク氏から譲り受けたということでした。
マルタン氏はこのメニュー画を出版したいと考え、レイにその作品解説を書いてほしいと依頼してきたのです。

しかし解説を書こうにも、ゴーギャンが遺した11点のメニューには日付も場所も晩餐会の理由も明記されておらず、画家本人が亡くなって半世紀近くも経過していたため、当時のタヒチの生活を知る関係者も皆亡くなってしまっていました。
有益な情報がほとんど無い中、絵の中に残された地名や言語の特徴など、わずかなヒントを頼りに作品が描かれた背景を紐解いていく展開は、読み物としても大変面白い内容となっています。
また、その謎を読者と分かち合いたいという目的で精巧に複製された11点のメニューは、紙の質感も含め、ポショワールとフォトグラヴュールの技法を用い、完全な形で復刻されています。

《メニュー訳》

Menu メニュー

Foutimaises assorties 前菜盛り合わせ

Puaha oviri au four canaque カナカ族流野生豚の釜焼き

Moa opapa sauce coco 尾なし鶏のココナッツソース

Rôti Boeuf à la farani フランス風ローストビーフ

Salade !! Aita (pas de salade) サラダなし

Desserts デザート

Appéritifs 食前酒

略歴

ポール・ゴーギャン　Paul Gauguin （1848-1903）

ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャンはフランス出身の画家。ポスト印象派の旗手として知られる。
株式取引所で働いていたが35歳で画家として活動し始める。40歳でゴッホと出会い短い期間共同生活を送る。生前はそれほど評価されていなかったが、今日、印象派とは一線を画した色彩表現と綜合主義（2次元性を強調した平坦な色面などに特徴）の実験的手法で知られている。
晩年はフランス領ポリネシアに10年間滞在し、その地域の人々や風景を数多く描いた。
1903年、フランス領ポリネシアのマルキーズ諸島アトゥオナにて死去。享年54歳。

画家、彫刻家、版画家、陶芸家、作家であり、象徴主義運動の重要な人物であったゴーギャンは、フランスの前衛芸術家や、ピカソ、マティスなど多くの近代画家達に多大な影響を与えた。