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企画展『バルビゾン派展』 > J=F・ミレー　「桶の水をあける女」

J=F・ミレー　「桶の水をあける女」

Femme Vidant un Seau

技法	：クリシェ・ヴェール

制作年	：1862年

サイズ	：30×24 cm（画） / 53×46 cm（額）

部数	：HT

レゾネNo.	：M.28

状態	：良好

備考	：証明書付（Sagot-le Garrec） 1921年の刷り

購入数

DB-4961

Web価格 : 990,000円

創業36周年記念特価 :

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作品解説

フォンテーヌブローの森の一隅にあるバルビゾン村で、家族の日常と農民の暮らしを描き続けた画家ミレーが、アトリエの裏庭で目にしたミレー夫人のありふれた日常をそのまま描いた作品。自然への畏敬と共に夫人への深い愛情が感じとれる秀作です。

ミレーは写真家のウジェーヌ・キュヴリエの勧めで生涯に2点のクリシェ・ヴェール（ガラス版画）を制作しており、本作はそのうちの1点です。1859年に描かれた油彩「ミルク缶に水を注ぐ農婦」をもとに制作されました。同様の構図はこの頃に何点か制作されています。

『コロー、ドービニー、ドラクロワ、ミレー、ルソーによる40のクリシェ=ヴェール』
（モーリス・ル・ガレック版）
"QUARANTE CLICHÉ-GLACE DE COROT, DAUBIGNY, DELACROIX, MILLET, ROUSSEAU（EDITION MAURICE LE GARREC）"

制作年：1858/62年（1921年出版）

技　法：クリシェ＝ヴェール（ガラス版画）

サイズ：48×40cm（本）

刊　行：モーリス・ル・ガレック

19世紀半ば、写真術の発達に伴い考案されたクリシェ・ヴェールは、大気の微妙なゆらぎを表現することが出来ることから、コローや、ミレーを中心とするバルビゾン派の画家達によって広く用いられました。
1921年、モーリス・ル・ガレックによって、散逸していたバルビゾン派の画家たちのクリシェ・ヴェールの原板40点が集められ、150部限定で出版されました。本作品はその内の１枚です。本作品と同じ1921年のガレック版は国内では国立西洋美術館と山梨県立美術館が所蔵しています。

40点の内、コローの作品が19点と最も多く、ミレー2点、ドービニー16点、ルソー2点、ドラクロワ1点の作品が含まれます。
ギャラリー・ル・ガレックは現在もサン・ジェルマン・デ・プレにギャラリーを構え、その後継者のニコラ・ロマンによって引き継がれています。

※クリシェ・ヴェール
写真の発明により19世紀中ごろに流行していた版画の技法で、ガラス版にコロディオン液や印刷インクを塗り、乾いた後に鉄筆などで絵を描いてネガ原板を作り、感光紙に焼き付けて現像する写真的方法。裏焼きが可能であること、繊細な線の表現が特徴です。
本作は通常限定部数の他に刷られたHT（Hors Tirage）版の作品です。

★　ぜひブログも併せてお読みください。

略歴

ジャン=フランソワ・ミレー　Jean-Francois Millet （1814-1875）

バルビゾン派の中心的画家。1814年、ノルマンディー地方の小村グリュシーで生まれる。1833年、シェルブールで肖像画家デュムシェルに師事。1837年、エコール・デ・ボザール（国立美術学校）に入学。1847年頃より農民主題の作品を描き始める。1849年、バルビゾン村に移住。代表作は「種をまく人」「落穂拾い」「晩鐘」「羊飼いの少女」など。大地とともに生きる農民の姿を、崇高な宗教的感情を込めて描いたミレーの作品は、早くから我が国にも紹介され、多くの日本人の共感を得ている。