ラウル・デュフィ　「海水浴（扉絵・XIII)」

『べランファン』
"La belle-enfant ou l’amour à 40 ans"

技法	：エッチング

制作年	：1930年

サイズ	：25×21 cm（画）/ 51×47 cm（額）

部数	：340

状態	：良好

備考	：

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DB-196

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作品解説

挿画本『ベランファン、あるいは40才の恋』
≪ La belle-enfant ou l’amour à 40 ans ≫

著者　　：ウジェーヌ・モンフォール

出版元　：アンブロワーズ・ヴォラール出版

制作年　：1930年

技法　　：エッチング

制作部数：340部

デュフィの挿画で飾られた『ベランファン』は、ヴォラールによって出版された多くの画家の本の中でも、とりわけ意欲的な試みがなされた一冊であり、それまで、ヴォラールとは密接な関係でなかったデュフィにとって、その地位と名声を確固たるものとするには十分なものでした。
表紙から本文中の章題、飾り文字に至るまで総数94点におよぶオリジナルの銅版画が制作された、この挿画本の圧倒的な密度が実現した主たる要因は、デュフィ自身の画家としての充実した日々と、恵まれた健康状態によるものと言えます。

物語は、五人の男女が織り成す夢と挫折の人間ドラマ。中心となるテーマの40代の男の恋は、実際にデュフィが体験したエピソードが元となったと伝えられています。
舞台となるマルセイユにスケッチ旅行して得られた挿絵からは、港町特有の喧騒と活気が生き生きと伝わってきます。

略歴

ラウル・デュフィ　Raoul Dufy（1877-1953）

フランスのノルマンディー地方の港町ル・アーヴルに生まれる。市の奨学金を受け、パリの国立美術学校へ。マティスの色彩に衝撃を受けフォーヴィズムに傾倒。1910年、アポリネールの『動物詩集』の木版挿画を制作。1911年、服飾デザイナー、ポール・ポワレと知り合い、織物のデザインを開始。1912年、高級織物会社ビアンキーニ・フェリエ社と契約し、テキスタイル部門のアートディレクターに。1928年、ドーヴィルで競馬やレガッタのシリーズに着手。1937年、パリ万博の為の壁画「電気の精」を制作。1940年、ドイツ軍のパリ占領後、南仏へ避難。1953年、死去。デュフィは透明感のある色彩と軽やかな筆触で音楽、海、馬、花々…など様々なモチーフを描いた。また、本の挿絵、舞台美術、テキスタイルデザイン、タペストリー、陶器など多数のジャンルで傑作を残している。